ぎむの日記

ほぼ日記です

マリオ&ルイージRPG2×2の思い出

私はマリオ&ルイージRPGシリーズの中で「マリオ&ルイージRPG2×2」が一等好きで、思い入れが強い。

なぜなら私が生まれて初めてクリアしたゲームだからだ。

 

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父が「これ、もうやらないからやっていいよ」と私にDSのソフトを2本くれた。「真・女神転生 STRANGE JOURNEY」と「マリオ&ルイージRPG2×2」だった。「おいでよどうぶつの森」で白カブを買って食べたり、「たまごっちのプチプチおみせっち」でたまごっちの歯をピンクに塗って喜んだりしていた私には、それらのゲームソフトはあまりにも大人びて見えた。これは子どもの私が遊んでも大丈夫なやつなのかな...とドキドキしながら、ソフトを起動した。

真・女神転生 STRANGE JOURNEY」はあまりにも難しすぎてすぐに挫折した。なんだよ悪魔合体って。どうしたらいいんだよ。当時の私は説明書に悪魔合体表があることを知らなかったので、永遠に同じ悪魔を創り続けていた。そして序盤ですぐに行き詰った。このゲームでは、ゲームオーバー画面で地球が闇に呑まれて滅亡する。一体何度地球を滅亡させたことか。じっとり重たいストーリーも子どもが遊んではいけない感を漂わせている、気がする。そうして私は匙を投げたのだ。こんなのゲーム大好きな大人がやるものだ、子どもの私がやるようなものではなかったんだ、と。

 

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shin-megamitensei.jp

 

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マリオ&ルイージRPG2×2」は、マリオだけど私が知っているマリオでは無かった。彼らはプレーヤーが走れと言えば走り、飛べと言えば飛び、死ねと言えばマグマに身を投げる操り人形では無かった。ちゃんと自分の意思を持つキャラクターとしてゲームの中で生きていた。文句を言うわ、泣くわ、敵を煽るわ。敵との戦闘中にマリオとベビィマリオはぐるんぐるん腕を回してすごく強そうだったし、ルイージベビィルイージはなんか変な構えしてた。戦いに勝利した時にマリオたちはカッコいい決めポーズを取るし、ルイージたちはやれやれ顔をしていて、キャラごとに個性があるのがすこくうれしかった。イベントではコミカルな茶番が繰り広げられがちなのに、戦闘開始時の、マリオの低い「レッツゴー」とルイージの「ラッキー」がカッコよくて頼もしかった。

恐ろしいエイリアンであるゲドンコの外道な行いが可愛いドット絵でくるまれて、時には楽しい音楽にマスクされながら次々と明らかになっていった。キノピオパワーを吸われ続けるキノピオ、化け物に喰われ化け物にされるヨッシー、キノコにされる仲間。助けを求められても助けることが出来ず、私はただ見ているだけ。

キノピオから吸い上げたキノピオパワーで回復する化け物や、化け物にされかけたヨッシーを利用してこちらを攻撃する化け物に出会い敵討ちをしようとしても、全然歯が立たなかった。私はこのゲームに出会うまで「ギミック」と「レベル上げ」という概念を知らなかった。歯ぎしりをしながら攻略サイトを開き、雑魚狩りに明け暮れた。そうやって頑張って元凶の化け物を倒したが、キノピオキノピオパワーを吸われ続けていたし、ヨッシーは卵に閉じ込められたままだった。さっさとゲームを進めてクリアしないと、誰も助けられないんだと悟った。

最後のボスに辿り着いた時は本当にホッとした。これが最後の戦いだ。こいつを倒せば皆助かるんだ。そう信じていた。

 

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(最近スマホの台頭と共にあまり見なくなったけど、ネタバレを白字で記載されるのもこのゲームの攻略サイトで初めて知った。何も書いてないじゃん!!!とパニックになったことを覚えている。)

 

ゲドンコ姫の姉が出てきたときには本当に絶望した。攻撃しても攻撃しても倒れないどころか、避けるのが難しい攻撃ばかりしてくる。しかもダメージが大きい。AボタンとBボタンを同時に押したことしかない私は、何度も何度もマリオとルイージを殺してしまった。

何度も何度も挑戦して、やっとのことで倒したと思ったら王冠の力で触手の生えた化け物になった時にはDSをぶん投げた。何度も何度も何度もマリオとルイージを殺してしまった。ダメージを1以上入れることが出来ず、また攻略サイトにお世話になった。ダメージを入れられることと姫を倒せることは別問題であったが。

何度も何度も何度も聴いた「もう一人のレクイエム」は私の大好きな曲の1つである。世界を救うためにマリオとルイージとベビィはこの絶望的な戦いに挑んで勝たなければならなかったし、ゲドンコ姫もゲドンコ星人たちを生き残らせるため、そして妹の仇を取るために、一度倒されてもなお絶望的な戦いを続けなければならなかった。

1とか3の悪役は、生き方を選択できる状況下で「世界を自分のものにする」ことを自ら選んで行動していたのではないかと思うのだが、2の悪役であるゲドンコは、他の星を征服する以外の生存戦略を持たなかったのではないかと思っている。ゲドンコ星人の未来は、どこかで返り討ちに遭い滅ぼされるか、全ての星を征服し尽くして資源が底をつき滅びていくかの2つしか無かったのではないか。本当に恐ろしい敵であるが、本当に悲しい種族であった。

 

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とにかく、なんやかんやでマリオとルイージとベビィはゲドンコ姫に勝利した。そうして過去のキノコ王国は救われたのだった。ほの暗いエンディングの曲を聴きながら、あの恐ろしいゲドンコ姫を前に逃げもせずに戦ったベビィたちの勇敢さに思いを馳せていたことを覚えている。

 

父は老眼でゲームをしなくなってしまったし、私は無駄に歳を取ってゲームをやりこむ気力を失ってしまった。楽しくプレイできる子どもの頃に楽しくプレイし尽くすことができてラッキーだったと思っている。私が今、色んなゲームを楽しく遊べるのは「マリオ&ルイージRPG2×2」でゲームの基礎を叩き込まれたおかげだ。ありがとう、マリオとルイージ、そしてベビィたち。

楽しい思い出をありがとう。